ブレンドモードをシェーダ側へ実装する前の下準備として、
アルファ値をシェーダ側で制御するプログラムを用意します。
これも定数バッファで渡してやるので特段難しいものでもありません。
では、やっていきます。
プロジェクトの作成
前回同様にプロジェクトを新しく作成します。
プロジェクト名は、” 0011_AlphaControl “としておきましょう。
プロジェクトの設定
DirectXSDKのパスを通すために、毎回プロジェクトの設定をいちいちしなければなりません。
前の記事「4. 三角形」と同じように「インクルードディレクトリパス」と「ライブラリディレクトリパス」の設定をしてください。
やり方は前と同じです。
ソースコード
以下がソースです。これも前回同様、流れが分かりやすいようにmain.cppだけでまとめました。
以下のソースをコピペするか、ダウンロードしてVisual Studio の「ソースファイル」に保存してください。
コピペするなら、
「ソースファイル」で右クリックして
「追加」→「新しい項目」で、「C++ ファイル」を選び、名前を” main.cpp “にして追加ボタンを押して作成してください。
ダウンロードなら、
同じく「ソースファイル」で右クリックして
「追加」→「既存の項目」で、main.cppを選択して追加してください。
アルファ値を制御するには、
必ずブレンドステートが要ります。
ブレンドの設定で通常(アルファブレンド)に設定し、
透過効果が効いている中でアルファ値をコントロールするプログラムとなっています。
「L」と「J」のキー押下でカラーの濃さを変えられます。
ここで気をつけなければならないのは、
「PSSetConstantBuffer」を忘れないことです。
私は忘れていました(笑)
これがないとピクセルシェーダに値を渡すことができません。
「VSSetConstantBuffer」は頂点シェーダに対して値を渡すものとなります。
あと、プログラム中にも書いていますが、
ConstantBuffer構造体の中身がfloat型単体だとサイズがないのでシェーダに渡すことができません。
最低でも16バイトのサイズがなければ渡せないのでfloat型のような小さめのサイズを単体で渡すときは、bufferDesc.ByteWidthのところを16で直に書いた方がいいです。
次に、シェーダ本文です。
これは「ソース ファイル」から「追加」→「新しい項目」で、
「Visual C++」→「HLSL」の中で.hlslなら何でもいいのですが(Visual Studio側が勝手にテンプレートを作るだけなので)、
ここでは「ジオメトリ シェーダー ファイル (.hlsl)」を選んで、
名前を” shaders.hlsl “にして追加ボタンを押してください。
すると、「ソース ファイル」中にshaders.hlslが作れますので、
中にあるコードを全て以下のコードでコピペして上書きするか、
ダウンロードして「既存の項目」で追加しましょう。
shaders.hlsl
定数バッファにアルファ値を追加して、ピクセルシェーダの方でアルファ値変換しています。
通常(アルファブレンド)で透過しているところは、スルーして実体のあるピクセルだけにアルファ値を反映させています。
今回も引き続き、前回と同じようにプロパティで「カスタムビルドツール」に設定しましょう。
次に、読み込むテクスチャを用意します。
以下のテクスチャをダウンロードしてmain.cppと同じディレクトリ下に置いてください。
以上で作成は完了です!!
以下のようになっていればOK。
ツールバーの「デバッグ」から「デバッグの開始(F5)」で実行できます。
ビルドするときは、「0011_AlphaControl」を右クリックして「スタートアップ プロジェクトに設定」を押してプロジェクトターゲットを変更してからするようにしてください。
アルファブレンドされた半透明のテクスチャを表示できたら終わりです。お疲れさまでした。
最後に
学習を進めていく中でバージョンアップによる差分をすぐに確認できるように「WinMerge」というソフトを導入した方がすぐにでもプログラムを理解できるようになるかと思います。
この作例では、記事「DirectX11 | 5. テクスチャ」や「DirectX11 | 6. 定数バッファ」でのmain.cppと今回のmain.cppとで差分を確認して学習に活かしてください。
何のコードが変更されたり追加されたのかがすぐに分かります。
exeファイル
VisualStudioで実際に動かさなくてもexeとして単体で動かせるように実行ファイルを添付しておきます。
0011_AlphaControl.zip
zipなので解凍して「0011_AlphaControl.exe」を起動してみてください。